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太陽に抱かれた瞬間を想像できる?僕はセブ島で味わってきたよ。
番外編です。
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海辺
2025/04/01

今から書く文章は、

旅の回顧録であり、俺の恥であり、人生の一部です。



汚い話になるので、

食事中は見ないようお願い致します。



これは、セブ島に着いて4日目に起きた出来事。

時刻は昼の15時。ちょうどスコールが降っていた。


場所はマーケット。

現地の野菜や魚が安価で大量に売っている場所。



「痛いぃぃぃーーーーーー!!!」



突然、腹に痛みが走った。

第一子が産まれるんじゃないかと思うほどの痛みがあった。


噂には聞いていたが、

まさか本当に海外で腹をくだすとは。


食事には警戒していたのに。

2~3日は大丈夫だったし、油断をしていたのかもしれない。


腹痛で苦しみながら、

2時間前、屋台でレチョン(豚の丸焼き)を勧めてきた、おっさんを思い出す。


奴はカタコトの日本語で「オイシイッ!オ二イさん、コレサイコー!」と言ってきた。

七分丈の袖をまくり、半袖みたいにしてシャツを着こなしてた、あのおっちゃん。


「袖まくるなら最初から半袖着ろよ。七分丈の意味ないやん」と脳内ツッコミを入れながらレチョンを受け取った。


「たぶん、あいつのレチョンが原因だな...」直観的に思った。

今思うと七分丈もちょっと汚れてたし、衛生的に良くなかった気がする。


七分丈を切りきざんで一分丈にしてやろうか。


そう思ったが、犯人探しをしてる場合じゃない。

とにかく腹が痛いのだ、トイレに行かねばならない。



海外で漏らしたらどうするんだ?

対処法がわからない。焦りと不安が頭の中をぐるぐる回っていた。



義務教育で教えといてくれよ。



僕はトイレに走った。

トイレがどこにあるかもわからないのに。



この時、腹の痛みはピークに達する。

「うううぅぅぅぅぅ。死ぬぅぅぅぅぅ~~」



きつすぎや...

直観的に思った。これはもう、無理なやつや...





まさかセブ島で大放出することになるとは...

そんな覚悟を決めた、その刹那、





突如、ひと筋の光が見えた。



あった。


そう、トイレがあったのだ。




まさに死者蘇生。

人生最大の起死回生。




どうせ漏らすなら、

人影の少ない所で漏らそう。



そう思っていたのが功を奏した。



トイレが見えたことで、

ライフポイントは伸びる。



駆け込むしかない。トイレに行った。

周りの騒音が消え、トイレ以外は視界に何も入らない。



今思うと、俺はゾーンに入ってた。

くだらんことに集中力を使っちまったもんだ。



トイレの入口には、

帽子をかぶった半袖半ズボンのおっさんがいた。



なんだこいつ?トイレの係員か?


早くトイレに入らせろ。漏れそうなんだ。頼む。

僕はこれ以上はできないってくらい腹が痛いポーズをとる。



両手で腹をおさえ、顔面はムンクの叫びをイメージ。

リコーダーをそっと吹くかの声で「ヘルプミー」と伝えた。



おっさん、頼む。急いでくれ。

俺はそう願った。




しかし、おっさんに俺の想いは届かなかった。

カタコトで「オシッコ?ウンチ?ドッチ?」と言ってきた。



あー、そうだった。

セブ島では俺の英語がまったく通じないんだった。



レストランで飲み物はどれにする?と聞かれた時、

「ウォーター」と言ったら「コーラ」が出てきたのを思い出した。




海外旅行には定期的に来てるが、

ウォーターが通じなかったのは初めてである。




恥ずかしがらず、

もっとネイティブっぽく「ワラー」と言えばよかった。



まぁ、それはそれとして。



場面はトイレ前に戻る。

おっさんが「オシッコ?ウンコ?ドッチ?」と真顔で聞いてくる。



ボディランゲージでわかるだろと思いながら、

「ダボーー(ダブルのネイティブっぽいやつ)」と答えた。



おっさんは微笑み、

トイレを案内してくれた。



「まにあった、俺は勝ったんだ。」


トイレの鍵を閉めたとたん、

人を殺した後みたいに焦りつつズボンをおろした。



腹は痛かったが、

安心しきった僕は、心のなかで

「ふぉーーーーーーーーーー」と叫んでいた。



レイザーラモンHGが誕生したのは、

もしかしたら漏れそうな時だったのかな?




そんなことを思いながら、

勝利の余韻にひたっていた。




勝った。勝ったんだ。

体調は悪いが気分は良い。



これで旅を無事に終えられる、

そう安堵した矢先、、、状況は一変する。



あっ、ない。

やばい。あれがないんだった。



この時、僕は思い出した。



セブ島のトイレには、あれがないことを...

日本人は、とてつもなく恵まれた民族だってことを...



そう、トイレットペーパーがない。



なんでやねんっ。



関東生まれ、関東育ち、

にもかかわらずナチュラルに飛び出した関西弁。



俺のなかで、

何かが壊れる音がした。



汗が頬を伝って流れていく。

その後、嫌な汗が全身から噴き出してきた。


セブ島が熱いからか、

体調が悪いからか、焦りからかわからない。


でも、そんなのはどうでもよかった。

トイレットペーパーがない事実は変わらないのだから。



もうしょうがない。

ないもんはないんだから。



僕は慎重に、

そして大胆に、そっとズボンをはいた。




誰が予想しただろうか。

30歳にして、紙がなく、何もふかず、トイレを後にする人生を。



令和に適さない古臭い言葉かもしれないが、

僕はずっと成功者を目指してきた。



余裕がなく身内にストレスをまき散らしてる父親がめちゃくちゃ嫌いだった。


俺は父親みたいに余裕のない大人になりたくない。

子供から尊敬されない大人になりたくない。



当時は言語化できないながらも、

潜在的にはそう思っていた。



だから大学を辞め、

人生に豊かさと自立を求めて就職せずに働いた。




こんなことしてて良いのかな?

なんとなく自分の目指した”起業”と違うんだよな。

これじゃ就職してるのと変わらないじゃん。



そんな不安をかかえながら、

Webライターをしていたこともある。


もがきながらも収入を増やし、

昔よりかは時間的に自由になった。



旅行は計画して行くもんじゃなくて、

行きたくなった時にふらっと行くもん。


そんな生活ができるようになった。

だから俺はセブ島にいる。



頑張ってきた、、、はずなのに。



その努力の集大成が、

ふかないでトイレを去る、こんな姿なんて誰が想像しただろうか。



10年前の自分がこんな姿を見たら、

理想とかけ離れすぎて絶望するかもしれない。




まぁ、いいや。

もう何もかも汚れてもいい。。。


敗者は敗者らしく、いさぎよく去ろう。



そう開き直って、

そっとズボンをはいた。



どうにでもなれと思いつつも、

ちょっと警戒して、やや猫背になってる自分がいた。



情けない。

覚悟が決まってないってのは、こういうことを言うんだろうな。


トイレを去ろうとしたら、

目の前にはトイレの門番がいた。


あー、いたなぁ、こんな奴。



余計な問答は必要ない。

察しの通りだ。世話になった。



ただ、ふいてないのは悟られたくもない。


ポーカーフェイスだ。

俺は、絶対にふいてる。

ふいた顔をして、場を去ろうとした。



その瞬間、信じられない言葉を耳にする。



「ユドンハヴァペパ?」


あん?なんの呪文?

金がほしいの?このトイレ有料なの?




「ユー・ドン・ハヴァ・ペーパー?」

(紙を持ってないのか?)



今度ははっきり聞こえた。(気がする)

まさか、お前、紙をくれるのか?


「ノー。ペーパー。(紙はない、くれ。)」


疑心暗鬼になりながら、俺は答えた。


んっ。

そう言って、おっさんは紙を差し出してきた。



ただのオシッコ or ウンチ判別マシーンかと思ってたおっさんは、人の血が通ったナイスガイだった。



優しかった、温かった、

おっさんの優しさは、まるで太陽みたいに俺をつつみこんでくれた。




紙を差し出してくれた、

その時のおっさんの顔は、今でも脳裏に焼き付いて離れない。



ちょっとドヤ顔してた。

でも気にしない、彼は恩人だから。



あとチップもしっかり要求された、

紙代かトイレ代かわからないけど。



でも気にしない、彼は恩人だから。

太陽のような優しさにつつまれたのは初めての経験だった。



その後、帰りの飛行機から本格的に熱が出始めて、

きつすぎて帰れず、羽田空港のホテルに2泊しました。



今思い返すと、七分丈レチョンよりも

その前に飲んだシェイクの氷が原因な気がする。


てか今でも腹痛い。今回は以上です。



P.S ① ここまでこの文章を読んでしまった方へ

なぜあなたは、最後までこんなくだらない文章を読んでしまったのでしょうか?


面白かったですか?

興味をひかれましたか?


もしそうだとしたら、

理由の1つは僕が即アウトプットしたからだと思います。


この記事はホテルにあった洞窟のなかで書いています。

IMG_5072.JPG.webp

(腹が痛くて、出歩くのが怖くなったから。)



感情には賞味期限があるので、24時間以内にアウトプットすること。

このカルロスマインドのおかげで鮮明な記事が書けました。


他にも、

  • ストッパ下痢止めがきかなかった話
  • 急いでトイレに向かうものの、走ったら腹に刺激が行くから、銃で足を撃たれた小鹿みたいな歩き方でトイレを探してたこと


長くなりすぎるので割愛しましたが、

その気になれば1万字くらいは書けました。


文章が書けない~と思っている方は、

そもそもエピソードを寝かせすぎかもしれません。


P.S② 来週のニュースレター


来週のニュースレターは、

最近Kindle本の制作をしたゆうかさんのインタビュー記事を配信します。


ゆうかさんが作ったKindle本、

離島で見つけた 訪問看護師×Webライターの旅路を予習がてらインストールしておいてください。


旅の話も出てきて、

今日の記事を最後まで読んだ方は好きな内容だと思います。